2023-07-20

満月しじま

名を呼べば咲きみだれる花のいまだ名を与えられていないつぼみ

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満月しじま

願わくばスピーカーより聞こえくる声に吾の名を呼ばれたき春

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満月しじま

便箋のひとつで終わる恋ありて春はしずかな湿りを孕む

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満月しじま

人生が物語ならば君、それに音楽をつけたくはないか

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満月しじま

なにもかも春は輪郭やわらかく雨さえ愛のように思えて

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満月しじま

「玉ねぎがしみただけだよ。大丈夫、つらくて泣いてるんじゃないから」

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満月しじま

菜箸で黄身と白身をかきまぜる 君に問いたい不倫の理由

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満月しじま

傷を抱き疲弊せし吾を今やっと泣かせてくれた鮭の塩焼

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満月しじま

寒いなら私の熱をあげるからだからひとりで震えないでよ

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満月しじま

届かぬと知るも紡いだその詩が思わずこぼれ落ちてしまった

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