お題 題『水』 お題 2023.12.01 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
瞳から君の落とした水滴が僕の心で激流になる
水たまり子供みたいに踏んでみるレインブーツの私は無敵
帰り道飛び越えてみた水たまり今朝は凍ってトリプルアクセル
水桶を持って今年も会ったことない母方の祖母と語らう
医師として現地へ行くも皆のため重機扱い水路を開く
噴水が頬を濡らすと俯いていた人たちも空を見上げた
水道の勢いだけで流れないこびりついた昨日の一言
うつわとして生まれたわけではないけれどひじのくぼみに水が溜まった
水ヨーヨーバシャリバシャリと手でついて翌日縮んで泣いた思い出
真夜中にトイレに起きて水飲んで布団に戻りしばしぬくまる
その肌に耳を押しつけ確かめる 水流の音 君は生きてる
透明で柔軟だからどの色も受け入れられる水になりたい
水性で書けばいつかは消せるけど しっかり残るなにがしたいの
一粒の雨より小さな悲しみは風に吹かれて誰かの胸に
トルコ石きれいに磨いて嵌め込んだみたいな水面カルデラのうみ
ひたひたの水を注いで火にかけるフツフツまだかなコトコトまだかな
水曜の映画は空いていて好きだ君と一緒ならもっと好きだ
谷の水凍りて山はしんしんと時に吹く風心を揺する
地面から吹き出た水を飲み込んだメロスは走り私は哭(な)いた
黙々と隣の人は洗車する泡がかけだし水と競走
水そそぎ水琴窟(すいきんくつ)はカンキンと尖りまろやか天の鐘かも
水底でじっと座って上にある光見つめつつそのままで居たい
向こう岸渡ってみたい渡れない
水面に揺れる十八の春
急な坂ゲリラ豪雨の滝落ちるせき止めるには頼りない足
だめだめだ、背骨がぬけてぐにゃぐにゃの個体が道で水たまりになる
一片の雪より小さな寂しさは風に流され誰かの肩に
両肩に清水担ぐは子供の役目 今は昔よ少年時代は
雨水は海から生まれ雨雲にそして大地に降りまた海へ
水たまり黄色い声が遊んでる長靴の中まで水たまり
全国で 無名の山に 水晶が 掘りに登って わくわくした日
持ちあげて翳した水が眩くて細む瞼が和やかな人
君という肉体の中満ちる水睫毛を濡らし輝くは何故
座り込み膝を抱えて泣いていた あの日の少女が忘れられない
サヨナラと 君が残した 平手打ち 涙の欠片 影の雫よ
逃げ水のように故人に永遠に追いつけぬ我の中に溶ける
詩歌も出たとこ勝負水商売媚びも売れば言葉も売る
悲しくも ないのに何故か 涙でる 逢魔が時の 悪戯なのか
汗かいて持ってきてくれたマフラーが雨の匂いのするマフラーが
指先に魚信を聴いてしゃくる竿水面を抜いて磯舞う魚影
ヘチマ水指で紅花白粉掃く心覗けば見栄が見得きる
飲み干してお前奢れと言った喉の動きとか拭う手の甲とか
しっとりと水にもなじむ柔肌に弾かなくなった悪魔のシャワー
不器用な口からこぼれる粉薬生きるもオブラート水苦し
水曜は折り返しの日ああ嫌だもう長くってやっと金曜!!
南禅寺 水路閣の様堂々と。かのサスペンス犯人ビクリ