お題 題『くだものを読み込んで』 お題 2024.01.27 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
青空にオレンジ色を注ぎ込むその瞬間は内緒のままに
いちご狩り値段に尻込みトーストを焼くからジャムで許してごめん
君の癖 リンゴをむいたら すぐ分かる 誰か好きな人 出来たんだよね
きみがむくラ・フランスはやさしけりゆるゆるおちゆく皮になりたし
後輩にもらった蜜柑に描かれてた私の顔はちょっぴり怖い
運動も人付き合いも並み以下で箱に詰まった蜜柑みたいで
新宿に向かう電車で口ずさむ椎名林檎をお守りとして
アボカドの種を育てる生き物がうちにいる窓辺に森できる
オレンジとチョコが意外と合うことを教えてくれたバレンタインデー
キスなんてイチゴ味だったことないし
タバコ臭いしそれが好きだし
ふるさとの 母から届いたミカン箱 無理をしないで添え書きそえて
春先の中央道の横走る一面の紅、桃の花咲く
くだものを読み込んで貼り、広告を作って気付く季節の流れ
余裕ない急場をしのぐお守りはビタミンゼリーマスカット味
庭の木に柿刺しメジロ食い散らす一口味見してみたくなり
孫坊主リンゴ食べるはまるかじりその豪快さ親譲りかな
あなたから「結婚します」と聞いた夜 写真の横に檸檬が一つ
君の手に 香るミカンの 残り香が 僕の唇 優しく触れる
ろうそくは五本で苺ましましの ヒロインの前誕生ケーキ
金柑をころころころと転がしてポケットの中残り香ほのか
オレンジを真二つに切る包丁が右と左の中身を映す
皮を剥く途中で破れたみかんの実 私みたいだから悲しくて泣く
ぎりぎりのわからないセン狙ってるレモン絞った雨の降る夜
丸かじりしたいが林檎歯が立たぬ若者達よ手入れきちんと
君垂らすレモンでさえも艶やかなしずくとなって我が恋香る
いちごのチョコは私の妥協をどしどし引き受けてくれてあまい
のど飴の代わりに口に放り込むいちごミルクのほっこり小粒
テーブルに君が最後に残してたリンゴに意味は有るんだろうか
独り身でベビー服とかもらってもパイナップルに着せるしかない
子はいちご私はみかん夫なし好きが違って面白い
言葉なく別れの夜の喫茶店 レモンとミルクの紅茶は冷めて
たたき売りバナナ美味いよおいしいよ朝に一本食べて行きなよ
猫の目の輝く緑に似ていたと 君が教えるシャインマスカット
冬だからコタツでみかんこれ定番今の時代にコタツはないか
明確な定義はないんだイチゴなど どちらが野菜か果物なのか
初めては罰か恐怖か食った人海鼠ドリアン糸引く納豆
眠れない夜にみんなは何してる歌を詠むのかリンゴをかじるか
懐かしき板ガムの味スウィーティー コンビニで良く買っていたっけ
子のために小さな鍋で煮た桃は少しばかりか不自由な味
美味そうにリンゴをかじるキミが好き頬をぷくんと膨らませてね
タマリンド初めての味異国風サヤ指にはめ踊らせてみる
庭の柚子梨私が生きているうちは実は成らぬと母花は咲く
ひと玉のメロン抱えてお見舞いに網目なぞってあみだくじだねと