吉村おもち 2021-12
吉村おもち
小金森まき きみという光を浴びた僕は死の間際に紅く色づくだろう
ふにふにヤンマー 醒めゐれば気近く揺らふ月影の蒼きに猫は眸を見開きぬ
篠崎幸子 この夜の潮汐力で僕は無になると教えてくれるどん兵衛
高木はてな 「月が綺麗」「空が綺麗なおかげだね」 その感性を愛してるってば
柔らかい時計 夏空を撫づように凪ぐ椰子の葉の隙間から落つ僕の片恋
柔らかい時計 陰と影 違いを描けば手のひらと木炭紙へと降る黒い雪
柔らかい時計 帰る背を追ひたき日にも空腹で待つ子を思ひあの角を見ゆ
柔らかい時計 子に添ひて眠らば迫る検査日の憂ひをひととき忘れてしまふ
柔らかい時計 