お題 題『忘』 お題 2024.03.25 ・投稿期間はお題発表から5日間!・短歌は投稿後15分間は編集が可能ですが、十分に確認の上、ご投稿ください。・トップページの注意事項をご確認のうえ、お楽しみください。
忘れ得ぬ母の背中で揺れるたび甘えて泣いて困らせた日々
忘れ物なにか大事な忘れ物ふり返る道降り出した雨
住む人も訪ねる人もなき村に忘れ去られた歌碑残りをり
我忘れ趣味に没頭する時間 言葉をつむぎ生み出す時間
しまったと一日ずっとそわそわと腰落ち着かずスマホ忘れて
真の愛勿忘草の花ことばリボンで束ねあなたに贈ろう
もう顔も声も忘れたあの人の運転のクセ身についたまま
買い忘れしないようにとメモをしてそのメモ忘れ買い物に行く
いつまでも忘れられない想い出は桜の下の初めてのキス
如月の我が娘の誕生に忘れ得ぬのはえびす顔の父
そうだねと調子のよさは忘れいき知らずについた生きていく術
忙しく心を亡くした君だけど忘れないでね愛しているよ
後遺症の健忘持つ夫イライラも笑いに変えて共に明るく
震災の被害大きく忘られず早い復興願って止まず
宿題を忘れて廊下の立ちん坊バケツの水の波紋観察
失恋をした直後とかだったはず忘れな草と名づけた人は
いつだって忘れないと誓ったことエジソンはえらい人、常識
君の笑顔優しさ忘却の彼方へ華の君は心に在り
なにもかも忘れてしまいたいのなら 美味しいものを飲んでおやすみ
人の名をよく忘れますこの頃は出そうで出ない感覚が好き
忘れたいことはなかなか忘れずに肝心なことを忘れてしまう
忘れてしまった思い出が消えたい夜最後に私を抱きしめる
忘れたり記憶ちがいが起こるのは 進化のなかで手にした神秘
忘れれば 心亡くしてしまうのか 解きはなたれて花ひらくのか
椿おつ だれかの忘れもののよう 赤きそのいろ悲恋にも似て
あのことは忘れてねって意味ありげに甘噛みしてくる見られた猫
富士の見得春めき桜忘れ雪ぶらり狩川南足柄
君のこともう忘れましたお顔なんて思い出すこともありませんの
ぽっかりと浮かぶ満月見つめれば暫し忘れる卑小な自意識
忘却の彼方にゆっくり沈みゆく辛さ苦しみ時に悦び